ないものは伸ばせないぞ

高３ワイ「進路・・・？」
教師「お前何かやりたいこととかないのか」
高3ワイ「アニメとかの業界に行きたいので声優の専門学校行きます」

ワイ「パンフ取り寄せたで」
ワイ「わあ、凄いキラキラしとる　声優やらマンガやらアニメやらの業界を目指す仲間がたくさんや」
ワイ「マッマ、ここ行きたい」

親「年間130万＋入学金か」

ワイ「ワイがビッグになって返すからお得やで」

卒業したら小売でもなんかしら就職出来たのに

入学前面接

なんというか
イッチ早めに気づけて良かったな

アニメゲーム系の専門学校とかチー牛が大量にいそう

声優や芸人なら大学サークル、もしくは大卒からの養成所が一番マシなルートやと思うんやが

入学式

ワイ（ここがワイの新しい学び舎か）

　ワイワイガヤガヤ

ワイ（なんかオタクっぽい、芋っぽい奴らが集まっとるな　ワイはまだマシな方か）

陰キャ「・・・」のそーっ

ワイ「！？」

ワイ（あいつ受かっとったんか・・・）

スタッフ「写真撮影しまーす　並んでくださーい」
　

ワイ（なんか全体的にノソノソしてんな　動きが鈍い病気の人間ばっかなんかな）

陰キャ「あ・・・う・・・」

ワイ（こいつ日本語しゃべれてへんやん）

スタッフ「空いてるところは詰めてください」

ワイ（あれ？公表の人数より少なくないか？）

ワイ（入学式から休んでる奴おるんか）

劇団入って演技学んだ方がええやろ

講師「今日からよろしくお願いします」

生徒「「「ボソボソ・・・よろしく・・・ます・・・」」」

講師「それじゃあ今日は学内見学です　部活も志望聞くからね」

ワイ（部活はパンフレットに色々あったなぁ　ワイはアニメ系の部活がええな）
　

講師「廊下ですれ違ったら元気に挨拶するように」

生徒「「「ﾎﾞｿﾎﾞｿ・・・うす・・・」」」

ワイ（なんや声優科なのにまともに声も出せへんのか　大丈夫かこいつら）
　

ワイ「部活は・・・コスプレ部ってとことカードゲーム部ってとこ覗いでみるか」

ワイ「こんにちはー見学に来ました」

コスプレ部員「あ、いらっしゃーい」
コスプレ部員女「やあ！ようこそコスプレ部へ！（男アニメ声）」
ワイ（うわぁ不細工しかいねぇ）

ワイ「こんにちはー」

カードゲーム部「あ・・・どうも・・・」
カードゲーム部「あ、あはい。見学、見学？」
ワイ（うわぁ陰キャしかいねぇ）

ワイは部活に入らなかった

ワイ「本当にこんなところで友達なんか作れるんやろか」

ちょい美少女「・・・」スタスタ

ワイ「おっ」
ワイ（あの子かわええな・・・）
ワイ（可愛い子もおるしまあがんばるか）

講師「はい、じゃあ次ワイくん」

ワイ「えー、ワイです・・・●●出身で・・・。以上です、ありがとうございました」

講師「全員終わりましたね　これから皆一緒に学んでいく仲間です　仲良くね　はい拍手」

ﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁﾊﾟﾁ・・・

電車の吊り広告で気になったけど絶対行かんわ

数日後

クラス「ワイワイガヤガヤ」
クラス「今日カラオケ行こー」　「うんー」

ワイ「・・・・・」
ワイ（こいつら馴れ合ってばっかや。本当に声優になる覚悟があるんやろか）

アニメーターじゃなくて声優学校なのがもう…

不細工男「なあ・・・今度、一緒にカラオケ行かね？」
不細工女「え～～どうしよ・・・」
不細工男「LINE・・・教えてくンね？」
不細工女「・・・いいヨ」

ワイ（高校まで恋愛のレの字も無かった人間たちやから、急にリア充の真似事始めおった）

不細工男たち「今度・・・合コンやらネ？？」
不細工女たち「・・・・いいヨ」

ワイ（見ちゃおれん）
　

クラス「ワイワイ・・・ガヤガヤ・・・」

クラス「あいつとあいつが付き合ってるんだってサ」
「いや、あいつは俺のこと好きだゼ」
「最近彼と付き合い始めたノ」
「あの女にカレピ取られたんだケド」

ワイ（恋愛することに舞い上がってんな　寝たふりしてやり過ごそう）

講師「今日は演技指導します」
講師「男女でランダムにペアにします　恋愛ドラマの台本をしてもらいます」

ワイ（ようやく本格的な授業や　今までよう分からん発声練習とかやった）

講師「はい、A男さん、B女さん、演技始めてください」

Cブス女「ぐすっ・・・えぐっ・・・」

講師「どうしましたCブス女さん」

Cブス女「A男くんはぁ～～～～　私のカレシでぇ～～～～　彼がぁ、演技とはいえぇ、ほかの女にぃ、愛を囁くのがぁ、我慢できなくてぇ」ボロボロブスブス

講師「はい一回授業止めます」

ワイ「ほとんど授業進まんで終わった」

ワイ「声優になる気もないのに恋愛にかまけてんじゃねーよ雑魚ども」

かわいい子「スタスタ」

ワイ「あっ、可愛い子」
ワイ（ワイの、声優科唯一の目の保養や）

男A「あ、あの子可愛いよな」
男B「でももう彼氏できたらしいぞ」

ワイ（！！！！！！！）

男A「誰とー？」
男B「ボーカル科の男子たちと」
男A「男子たち？」
男B「ボーカル科の男食いまくってるんだって」

ワイ（・・・・・）

おっ！これは良い展開

ワイ「もう声優科ええわ　このままこんなとこいても声優になれる気がせん」

ワイ「すいません」

講師「何？」

ワイ「転科したいんですが」

講師「そういう時期だね。一定数いるよ　何科に移るの？」

ワイ「えーと・・・イラスト科に」

講師「イラスト科ね、分かりました」

ワイ（絵は描いたことないけど、授業受けて神絵師になって適度に稼ぎながら生きていこう）

ワイ行かんでよかったと思うわ
独学で大成した絵師もたくさんおるしな

イラスト科

講師「はい、それじゃあ前回の続きから・・・」
ワイ（結構期間経っとるし、ワイみたいな転科組は付いていけるんやろうか・・・）
講師「人を描くには、素体というものを下描きにして描きます・・・」

講師「それじゃあ来週までに課題をお願いします」
ワイ（あんまり多いのは無理やぞ・・・）
講師「クロッキー2枚」
ワイ（余裕やん）

家
親「学校はちゃんとやってるの」
ワイ「順調や」
ワイ（今日はゆっくり休んで、明日課題やるか）

提出日
ワイ「描けんかったわ・・・」
ワイ「でも他にもやってない人間多いし、そもそもやってない人間がおるのが当たり前やから講師も確認せんな」

ワイゲーム系の専門学校やったがまあデキるやつとデキん奴との差が激しかったで

絵にかいたような陰キャコミュ障とか、
3浪の末に専門来ましたとかはやっぱ頭おかしい連中しかおらんかった

「手に職つけたかった」「一般教養やりたくねえ」←この辺は頭良い奴もいた

「なんとなく」「ゲーム好きだから」←こいつら一番クソ率高かったわ

講師「課題で出してもらったイラストは、適宜掲示板に貼り出します」

ワイ「見に行ってみるか」
ワイ「うわ、こいつウマ！　元々描いてる奴なんやろな。ワイも今年中にこれに追いつきたいなぁ」

ワイ「名前確認したで。　どんな顔しとるんやろ」

絵男「・・・」休み時間も描き描き

ワイ「めっちゃチー牛やったわ」

ワイ「こんにちは絵男くん」
絵男「うひっ！？」ビックゥ！
ワイ「掲示板のイラスト見たよ。すごく上手だね」
絵男「ブヒュ・・・う、あり、ありがとう」ﾍﾟｺ
ワイ「いつから絵描いてるの？」
絵男「ええと・・・よく覚えてない・・・小さい時からお絵描きは好きだし・・・特に練習とかはしてない」

ワイ「へー才能あるんだね」

絵男「全然才能ないよ・・・？　ネットで神絵師フォローしたら年下とかザラだしさぁ　でも勉強になるよねぇ」

ワイ（才能ないとか嫌味かな）

イッチから押切蓮介みたいな匂いがめっちゃするわ
感性が凄い似てる気がする
押切の漫画できないバージョンやな

ワイ「絵が上手くなる方法とか教えてよ」

絵男「ええと、この間講師の先生の所に質問しに行ったときにおすすめされたのが、この解剖の本で・・・」ゴソゴソ

ワイ「これ読んだらいいんか？」

絵男「僕もスケッチし始めたばっかりだけど、筋肉覚えたらだいぶ描きやすくなって・・・」

ワイ「ふーん」

ワイ（ネットでもっと効率良い方法調べるか）

なんでワイくんは他を見下してるんや？

家
ワイ「ネットで絵の勉強するか　イラストで飯食っていくためだもんな」
　カタカタ

ワイ「よくわかんねーな　おんJで息抜きするか」
　04:00

ワイ「寝るか」

講師「パースがどうで～　遠近法が～」
ワイ「zzzzzZZZZ」

ワイも専門学生やったんやが授業の内容が珍紛漢紛で2年目になってからサボりまくって難波で遊び呆けてたわ

講師「次の課題は～」
ワイ「くだらね・・・基礎しかやらないで何になるんや　ワイには退屈すぎてイラスト科合わんわ」

隣の男「・・・」ﾒﾓﾒﾓ

ワイ（隣の奴、メモってんな　そこまで取り組む課題か？）
ワイ「…」ﾁﾗ
ワイ（ぶっｗｗ　あいつ絵下手やんけｗｗｗ　よくいる真面目系無能やな）

イッチの絵が気になるわ

数ヶ月後

講師「では、そろそろ中間の製作発表をしてもらいます。今の自分が出せる実力を、イラストにぶつけてください」
クラス「えー・・・」

ワイ「ワイ全然練習してないのに描けるわけないやろ」

クラス「ざわざわ・・・ガヤガヤ・・・」

ワイ「ワイ含め全然課題出してない人間ばっかやからザワついとるわ　こんなん企画倒れやろ　講師アホちゃう」

隣男「・・・」ﾒﾓﾒﾓ

ワイ「クッソ・・・1年で相当画力付ける予定やったのに、このペースじゃ無理に決まっとるやんけ」　

中途半端にお絵描き齧った奴ってめっちゃ偉そうなんよな
イッチみたいな奴いっぱい見てきた

家
ワイ「ちっ・・・しゃーない・・・とりあえず描くか」
ワイ「・・・今日は構想を練るか」
おんJワイ「最近のおんJ、ガキ多すぎ、と」

数日後
ワイ「クソッ・・・全然描けんかった　ちょっと気分が乗らないし手首が調子悪かったもんなー」

ワイ「明日が提出日や・・・とにかく描くしかないか・・・はぁー・・・」

ワイ「もっと時間くれたら描けるのに　通知が急すぎるやろ」

クリエイター職は本気で取り組めば個人でも生活できる程度には稼げる仕組みがあるから夢見るのはわかる
ワイも夢みてる

講師「それじゃあ、イラストは壁に貼ってー　前に立って発表してね」

男A「えーと、マジで、これちょっと時間なくてー　ちょっと雑になっちゃってー」
女B「私も時間なくてー　表現しきれなくてー」
男C「もっと時間かけたかったなーと思いました」

講師「・・・はい次」

絵男「今回、自分が普段描かない構図に挑戦してみました。あと水の表現に挑戦してみたくて、ここをこうしました。もっと影を頑張りたかったです」

講師「うん、いいね　ここはもっとこうして～ﾍﾟﾗﾍﾟﾗ」

ワイ（何や、結局えこひいきしとるだけやんけ。才能ある奴だけチヤホヤしてりゃええんやから講師ってのは楽な商売やな）

講師側もストレスやばそう

講師「はい、じゃあ次、隣男くん」
隣男「はっ、はい・・・」
ワイ（何や、あの下手くそか）
隣男「僕の作品です」パラ・・・

ワイ（えっ・・・）

講師「おお、凄く上手ですね！　もちろん課題点もありますが、凄く基礎力が上がっています！　隙の無い実力が積み重なった絵です。あとは肉付けですね、ここからどんどん楽しくなりますよ」

隣男「あ、ありがとうございます・・・」

ワイ（あれがあのヘタクソの絵！？　嘘やろ！？）

講師「隣男くんは課題提出もしっかりしてるし、授業も寝ずにノート取ってるもんね」

隣男「先生が、授業内容はその日に復習して描いてみようって言ってたので・・・」

講師「うんうん、その調子で続けてね」
ワイ（・・・・）

隣男は講師からしたら講師冥利に尽きるやろなあ　絵男よりたまらんやろ

　コンコン　ガチャ

ワイ「失礼します」
講師「はいはい　どうしたの？」

ワイ「転科したくて」
　

ここまでイッチの才能出てこないんやけど大丈夫か？

やる気あるやつはド下手からでもちゃんと上手くなるもんなんやな

講師「そういう時期だね（季刊）　何科に行くの？」

ワイ「漫画科に行こうと思って」

講師「漫画科？　今のイラスト科じゃダメなの？」

ワイ「イラスト科はこう、ワイに合わないんですよね
なんかこう、決まった構図とか色使いとか、そういうものに評価軸が合わさっているというか
そういう一芸的な評価のされ方がワイの気性には合わなくてですね
やはり漫画とかそういう総合芸術みたいな絵だけでなくストーリーやらにも
評価基準があるマルチな視点をもった創作の方がワイには合ってると思うんですよね
やっぱりこうワイは色んな視点から物事を見たいっていうか、ジャンルに捕らわれず創作を行いたいんですよね
そう考えると漫画という総合芸術はワイには合っていると」

講師「わかった　転科ね　はい　気を付けて帰ってね」

その先は地獄やぞって感じのテンプレやん

なんかもう読んでて辛いわ
今のワイと姿が重なるからそれに対する自己嫌悪に近いものがあるんだろうか

イッチはプライドが結構高いんやろな何に対しても

普通の学校でもこういう風に他人馬鹿にしてるだけで何もしない奴はな・・・

ワイ「転科タイミングがちょうど新年度やから、みんなと足並み合わせて最初から授業受けられるで」

漫画科

講師「それでは漫画科の皆さん、よろしくお願いします」
講師「まず、漫画描いたことある人ー？」

ワイ（ワイは転科したばっかりやから漫画描いたことないわ。まあ、他は最初から漫画家目指しとる奴らやから、9割以上は描いたことあるんやろなぁ）ｷｮﾛｷｮﾛ

　シーーーーーーーーーーーーーン

ワイ（は？　2人しか手を挙げてへん）

講師「はい、例年通りですね　皆さん、学校とか関係なく、漫画描きまくってくださいね」

というかさっきからイッチずっと1人でいるんか
高校の時にいたぼっちも心の中ではみんなを見下してたんやろか

　ワイ（なんで漫画家目指して漫画科に来とるはずやのに、漫画描いたことないんやろ　アホしかおらんのかな）ｷｮﾛｷｮﾛ

男A「ってか、漫画好きだけど描くのとか無理じゃね？」
男B「そのために学校来てんのになｗ」
男A「なｗ」

ワイ（ワイはこいつらとは違う。　この一年でプロデビューしたるわ）

ワイ（まあ、メジャー誌は1年じゃ無理かなー　ネットコミックの連載ぐらいなら行けるやろ　絵が下手な奴でも連載しとるし）

アオイホノオドラマ見たけどあいつなんで漫画家になれたかわからんわ

アオイホノオとか言うやることやってないように見えて
ちゃんとやることやってて何十年も中堅漫画家として活躍してアニメ化ドラマ化映画化するようになるやつ

講師「持ち込みでも同人でもいいから、とにかく作品を描きまくること！それが上達への近道です。添削などドシドシ持ってきてね」

ワイ（・・・とはいえ）

ワイ（講師になる人間って、第一線に立てなかった、いわば三流の人間やろ？）

ワイ（そんな人間に添削とかされて、ワイの才能がカゲったらどうしてくれるんや？）
　
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ

ワイ「ｚｚｚＺＺＺ・・・ハッ　授業終わったか」

　ｶﾞﾔｶﾞﾔ　ｻﾞﾜｻﾞﾜ　終わった終わった　飯行こーぜ　ｶﾞﾔｶﾞﾔ

熊みたいな男「・・・・」のそのそ
ワイ（何やこの熊みたいな男）
熊男「あ、先生・・・この間添削ありがとうございました」
講師「うん、いつでもまた相談に来てね」
ワイ（・・・・・）
　

ワイ（こいつ添削依頼とかしとるんか・・・）ﾁﾗ
熊男「・・・」帰る準備ｺﾞｿｺﾞｿ
ワイ「ん？」
熊男「ひっ」ビクッ
ワイ「それ、原稿？」
熊男「そ、そう、です・・・」
ワイ「ほーん　ワイ漫画（読者）歴長いけど、見てやろうか？」
熊男「え、本当？　でもちょっと恥ずかしいな・・・」
ワイ「漫画は人に見せてなんぼやろ」
熊男「それもそっか・・・　はい」

なんでこんな厚かましいんやこいつw

釣りかは知らんが本当の話ならこれはもはやイッチの懺悔やな

ワイ「はえ＾～　絵はまあまあちゃう　ストーリーは絵本みたいやけど　犬とかクマがプロレスごっこしてるだけや」

熊男「うん・・・」

ワイ「ん？まだ原稿が続いてる」ﾍﾟﾗ
ワイ「ファッ！？　犬と熊がキスしとる！？」

熊男「あっ！！　それ、違！！　同人用のが混じってた！！！」

ケモナーやんけ

ワイ「同人・・・？」
熊男「うう・・・　これ、コミケ用で・・・」
ワイ「エッチな漫画描いとるんか　動物の」
熊男「う、うん・・・」
ワイ「売れるんか？」
熊男「い、一応、ネット込で1年ぐらいで四ケタ部行きます」

ワイ「？？　へー、そう　まあまあちゃう」

　
熊男「ワイ・・・くんは、歴が長いとのことですが、ジャンルは何を・・・」

ワイ「ジャンル・・・？　ジャンルはまあ・・・絞ってへんかな　何でも手出しちゃうわ」

熊男「す、すごい！　他のジャンル手を出すのって勇気ないですか」

ワイ「そうか？ジャンプでもマガジンでもチャンピオンでも少年誌青年誌、メジャーマイナー、なんでも手出すけどな」

熊男「うへぇ！！僕まだ持ち込みってしたことなくて・・・名刺はもらうんですけど」

ワイ「ふーん？まあがんばれば？」

なんか急に創作臭くなってきたな

熊男「ワイくん・・・いえ、ワイ先生と呼ばせてください！　ワイ先生は転科してきたんですよね！？　なぜ・・・？」

ワイ「イラストってワイには合わなくてな　やっぱ漫画の方が好きや　やっぱ漫画愛っていうの　漫画との付き合いの方が人生で長いしさぁ　やっぱり帰って来ちゃうよね」

熊男「なるほどー」
ワイ「まあ、また何か描いたら見せてみなよ」
熊男「はい！」　

家
ワイ「何か課題出てたな」
ワイ「四コマ漫画？　馬鹿にしてんのかな　こんなん捨てや捨て」

頭の中ではワイくんコミュ強陽キャで草

講師「えー、そろそろコミケの時期ですね。そういうのはドシドシ出展してください。訓練になるし、業界との付き合いもできるしね」

ワイ（出展か・・・）
ワイ（もしこれで一作目でデビューまでトントン拍子で行ったらどうしよう・・・）
ワイ（サインの練習しとくか）

家
ワイ「漫画を出展しようと思うんや」
親「すごい、プロみたい」
ワイ「やから印刷代とかくれ」

読んでて恥ずかしくなるのは、やっぱ自分も当てはまる部分かあるんやろなぁ

ワイ「よし、コミケ※応募できたぞ」※コミケじゃない
ワイ「あとは作品描くだけや」
ワイ「これで雑誌編集者とかの目に留まっちゃうんやなぁ」
ワイ（さて、描く準備せな・・・）
ワイ（まずはインプットや。漫画を読みまくらんとな）

数週間後

ワイ（アカン、全然描けてへん・・・そもそも何描いたらええか分からん）

ワイ（いや、ワイは追い詰められてこそ実力を発揮するタイプや・・・）

さらに数週後
ワイ（アカン）

講師「そろそろ一部の人は修羅場だと思います。ですが課題も授業も大事ですよ」

熊男「…」ﾒﾓﾒﾓ

ワイ「えーと、しばらく漫画描くために学校は休も。こっちの方が大事や　あ、ワイ学生プロっぽいなぁアハハ」

ワイ「今日は一秒たりとも無駄にせず漫画描くぞ」

ワイ「くそ、おんＪしてたら夕方やないか」

ワイ（クソ、今日送らないと印刷業者に間に合わないのに）
　23:00

ワイ「せや、自分で印刷すればええんや」

ワイ「親に新しいプリンター買ってもらったわ　自動で両面印刷してくれるわ」

ワイ「さて、そろそろ漫画描かんと」

本当に本当に最終日

ワイ「ええい、もう描くしかないわ！！」ｼﾞｬｯ　ｼﾞｬｯ

ワイ「何やこれ・・・何描いてあるか分からん・・・そもそも話も意味分からん・・・小学生の落書きか・・・？」

どう育ったらこんなイッチみたいなのが出来上がるねん…

でもまぁここで書こうとしてるあたりまだ成長したと言える

即売会　当日

ワイ「プリント紙をホッチキスで閉じただけの、配布資料みたいな漫画・・・10部しか作れんかった・・・」

ワイ「え？テーブルクロスってのが要るんか？　何や、わからん、え、事前にスタッフに漫画のチェック受けるんか？　嫌やなぁ・・・」

ワイ「あのスタッフ・・・ワイの漫画見ながら含み笑いしとった・・・ちくしょう・・・畜生・・・」

ワイ「と、とにかく編集者から名刺もらって、そこからデビューや！それで全部終わる！」

この後におよんでまだデビューできると考えてるのやばくない...？

ある意味このスレはイッチの今までの創作で一番の大作なのやもしれん

ワイ（両隣のサークル？から挨拶された、お菓子ももらった、だけど何も言えんかった）

ワイ（隣は綺麗な冊子を山積みしとる　コルクボードを立てて色々カラフルに飾っとる）

ワイ（ワイはプリント束を並べただけ・・・　値札なんてさっき適当に作った・・・クソ、クソ）

　6時間後

隣のサークル「ありがとうございましたー！！！！」「だいぶ売れたねー！！！」「今年お客さんの反応いいね！！！」

ワイ「・・・・・・・・・・・」

分かっちゃいるのに先延ばし
プライドだけはまあ高い

あっ（冊子）

ワイ（ワイは一冊も売れてないのに・・・　試し読みすらされないのに・・・　みんなが素通りしていくのに・・・）

ワイ「あっ、そういえば熊男も来とるはずや」
ワイ「あいつに絡みに行ってやろｗ」　ｶﾞﾀ
　
熊男「ありがとうございましたー　ああ、忙しい」
編集者「あー熊男先生　どうも」
熊男「あ！！ご無沙汰してます！！」
編集者「一応また名刺渡しとくね　今度新レーベル始めるので、興味あったら連絡ください」
熊男「ありがとうございます！！」
ワイ「・・・・」

家
親「お疲れ様、漫画の販売どうだった？」
ワイ「う、うん　まあぼちぼち」

　コンコン

ワイ「失礼します」
講師「はい」
ワイ「俺、やっぱり漫画の才能ないのかなって」
講師「そっか・・・まあ、デビューできる人間って、結局ほっといても漫画描いてる人間だからね。これからどうする？」

ワイ「転科しようと思います」
講師「何科に？」
ワイ「来年度、プロゲーマー科が出来るんですよね？」
講師「そうだね」

ワイ「とりあえず今年度は漫画科に在籍して、来年プロゲーマー科に行きます」
講師「そっか。じゃあ手続きはしとくね」
ワイ「はい」
　
その後ワイは幾つか転科を繰り返し、ほぼ全ての講師に名前を覚えられた。
しかしワイの才能が伸びることはなかった。
ワイの親の財産だけが消費されていった。
ワイは今声優の専門学校ではなく、養成所について調べている。

夢は未だ冷めてないのか

乙やで
働けごく潰し

熊男とか絵男はファンタジーかもしれんがイッチの行動部分には謎のリアリティあるな

ちなみに絵男は、
可愛い子（才能ある人間の童貞狩りが趣味）に食われたらしい

おしまい

自分の人生を漫画化したらええんやないか？

これどこからホントでどこまで嘘や
いっその事全部嘘の方が精神的に楽

アニメゲームの専門学校って字面が既に地獄だ

こうやって偉大な才能が潰されていくんやなぁ